TARKY TOSHIMA

JP / EN

Experiment Show

2007|コント・パフォーマンス

Experiment Show

四谷アート・ステュディウムによる企画として、旧四谷第三小学校体育館にて、「Experiment Show」が10月7日に開催された。宮沢賢治の小説「やまなし」を、菊池正、鶴崎いづみ、外島の3人がそれぞれ朗読する。菊池はホースをつけたまま朗読する(そのホースからキノコに水を与え、育てる)。鶴崎は菊池のホースから出る水音と同じタイミングで朗読する。外島はアイマスクをつけ、記憶していた「やまなし」の箇所と、鶴崎の朗読箇所を挟み込み、朗読する。この時の実験コンセプトは、以下の通りである。

実験の目的
 共通のルールをもたない、相互に異なるコードを有する者達が、にもかかわらずひとつのシステムとしての「全体」を出現させる(閉じた系をもつ部分が全体を機能させる)。

実験の仮説
 生物の体内やその外部(環境)を「場」として捉えると、お互いに共通のコードをもっていない部分が、しかし全体としては連関をなしてひとつの「場」を形成していく、という現象が見られる。ここではネットワークを織りなす諸対象が、あらかじめ統制されているわけではない。だからこそ、それぞれの振る舞いが衝突したときに予測不可能な事象が現れる。それは、ディスコミュニケーションであるとも、コミュニケーションであるともいえない。ひとつの「場」を設け、お互いに異なる入力-出力系をもつ個人がそこに集ったとき、そのような意味での予測不可能性を孕んだ関係性を出現させることが可能なのではないか。

実験の方法
 共通の設定(場)として、朗読会を設ける。そこでの個々の振る舞いは、それぞれのルールに則って行なわれる。また個々に異なる入力-出力系をもち、それは朗読の状況に規定される。規定されるがゆえに、朗読が進行するにつれ、それぞれの入力-出力系にお互いの影響が現れざるを得ない。またそれは、朗読の状況にも変化をもたらすだろう。このような、無関係でありながらフィードバックをもたらすような方法により、前述の意味での関係性を構築していく。

このイベントには、北川裕二、毛利悠子、中井悠+高嶋晋一、橋本聡、石岡良治、松井茂、平倉圭、岡﨑乾二郎、カール・ストーン、三輪眞弘(敬称略)などが参加した。全体の公演時間は、計七時間におよんだ。