同一性・ACT・生殺与奪の劇場―《ラス・メニーナス》について
2022|テクスト・漫画・出版
ベラスケスの《ラス・メニーナス》について書いた批評文。ジョン・サール、スナイダー&コーエン、フーコー、レオ・スタインバーグ、バイロン・E・ハマンなどが執筆した《ラス・メニーナス》についての論考や批評を参照しつつ、絵画という表象=劇場の空間(と、一般的には思われているもの)が、『いかに身体の不確定性、観客の非同一性、絵画とこちら側の世界の反転=生殺与奪の可能性に開かれているか』という問いとして再構成した。それらの再構成のために、形式的な分析、「描く」という行為、視点の逆転と視界の開閉、等を焦点化し、再考した。
また、ただの「西洋美術史のなかでの新解釈」、というだけではなく、ポスト・コロニアルな観点から書かれたバイロン・E・ハマンの論文を参照し、この絵画に描かれた植民地(南米)からの産物たち、そして崩壊していく帝国についての論でもある。そしてまた、ユーラシア大陸の東の端にある日本列島から、西の端にあるヨーロッパへ向けて語ることについて。

