Invention のための 23 の Variations
2008|展示、テクスト・漫画・出版
2006年の「Other Logic」から、強めの精神的不調を挟んだ後に起死回生を目論んだ作品。一つのエピソードを、A4用紙1枚に収まる程度の物語(コント)として書き、それを反復とズレによって構造化し、作り続けていく、というもの。最初の展示では印刷し、壁面にピンで留めた。
一つのテクストの文中に使われる語彙や概念、話の構造が、次のテクストでも使われ、展開されるごとに反復、ズレ、飛躍を伴いつつ進行していく。「Invention」は「発明、創意工夫、着想」といった意味をもつが、バッハの《インベンションとシンフォニア》のように、作曲の過程で新たに探求、発明されていく曲想(着想)のことでもある(無論、ラテン語の「Inventio」には元来「発明」と「発見」という二つの意味があったことを想起するならば、ここでは、それが分けられないものとしての作品制作の過程の名指しでもあるだろう)。
つまり、音楽における作品制作の方法論、「一つの」メロディの反転やカノン、逆行形式、そして曲想の変奏(Variations)を、笑いを伴った物語−文章の方法論として取り入れることに挑戦しているのだ、とここではあえて言わせていただきたい。
ちなみに「23のVariations」と書いているが、実は22個しかない。最後の一つは読者の胸の中にあると作者は信じている。
*2017年「いっちふいっち」展(野方の空白)で再展示。その際に冊子として製本した。


























